白磁の小箱とは思えぬほど華やかで、思わず息をのむ繊細さが魅力のリモージュボックス。
その制作工程を知れば、裏側まで美しいその秘密に、きっと胸が高鳴るはずです。
まずは細やかな型づくりから始まります。リモージュ地方の良質な粘土を丁寧にこね上げ、極力ムラが出ないように型に流し込む際には、熟練した職人技が欠かせません。焼成するときの温度加減もとても重要で、高すぎるとひび割れが起き、低すぎると強度が出ません。一瞬の油断さえ作品を台無しにしてしまうため、職人の集中力は常に最高潮です。
そして、絵付け工程では真っ白なキャンバスに絵の具をそっとのせ、繊細な模様や優美な色彩が描かれます。その後もう一度焼き上げることで、華麗な彩りがパッと冴えわたるのです。さらに、金属製の金具を取り付けて仕上げを施すときにも、蓋の閉まり具合やバランスに神経を注ぎ、完璧な精度を追求します。
こうして、内側から外側まですみずみまで美しさを宿したリモージュボックスが誕生するのです。長い歴史と伝統の重みを感じつつ、現代にも息づく気品と魅力。まさに“宝石箱”と呼ぶにふさわしいこの小さな芸術品を手に取れば、あなたもきっと一目で心奪われるでしょう。