今回は、蚤の市巡りでの失敗談です。
店主の私はエマイユ、日本でいう七宝焼きの職人でもあります。そこで蚤の市でもつい七宝商品に目が行きます。大体は、さほどほしいとは思えない荒い作りの物が多いのですが。
前回の蚤の市で小さな懐中時計に出会いました。それは、、
ヨーロッパ19世紀に大いに流行った金属に彫られた浅い規則的な地模様に透明釉薬が焼成されていて美しい視覚効果を生んでいる、ギヨシャージュという手法が時計全体に施されていました。私がヨーロッパ七宝に憧れた原点です。
ギヨシャージュ、参考写真Antiqon
売っている人に聞いてみると、5ユーロとのこと。安い!
買おうかな、、
でも、七宝はところどころ剥がれて金属部分が見えているし、時計としては完全に壊れていて、時を刻んでいた針さえもない。時計を修理したらジュエリーマルシェでも提供が難しいくらい高くついてしまいそう。
そうだ、一周して戻ってきてまだ欲しいなと思たら買おう。
と手にしていた商品を戻し他のお店巡りをすることに。
他のスタンドも魅力的です。
手前のほうのピンクの縁取りがリュビネル窯。
その間、このブログにも書いたリュネビルのお皿のいい状態のものに出会い、交渉してゲットしたり、素敵な黄色い梯子を見つけて売り主とあれこれ話したり。
この梯子は別のスタンドを見ているときに「迷ったよ!すごくいい黄色い梯子があって、でも置く場所無いからあきらめた」とオシャレな男性が連れと話しているのを耳にしていました。80ユーロで無料配送してくれるとのこと。でも私も場所が無いし。これに植物なんか置いたらすてきだなあ。
そのうち雨がぽつぽつ。
あ、あの懐中時計、やっぱり買おう。色が剥がれていても、ギヨシャージュはなかなか出会うことはないし、修理の練習をしてもいいし。
と、その店が出ていた地点に戻ってみると、、、スタンドが無い~!
夕方遅かったのと、雨も降ってきたので店主ははさっさとお店をたたんでしまったのです。すっかりバンにスタンドを片付けて出発しているところでした。。
翌日同僚達にその話をしたら、異口同音。
「5ユーロだったなら、後悔しても大した痛手ではないし、さっさと買うべきだったね、迷ったらだめだよ。」
コツは、この値段なら買う、というラインを決めておくといいかもしれません。
蚤の市商品は一期一会、次にいつ出会えるかわからないし、同じものに出会える確率は極めて低いですから。
今更後の祭りでしかないのですが、次回はこれを教訓に上手に迷おうと思ったのでした(;_;)/~~~