フランスでは年に2回、普段公開されない歴史的建物を訪れることができます。
そこで私もその機会にSèvres-Manufacture et Musée nationaux、セーブル国立陶芸美術館を予約して、見学してきました。
フランスで王立窯といえばルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人の庇護を受けて成長したセーブルです。ここは1745年の創立以来フランスの誇る芸術的職人技が30の専門分野と120人の職人によって受け継がれています。
ポンパドゥール夫人。
大統領府へ食器を納め、大切な国賓をもてなすのは今でもこのセーブルの製品なのです。
見学での職人さんたちの説明は熱く、ここで働くことへの誇りがひしひし伝わってきました。
原型づくり,轆轤を回したり、手でこねたり、数週間乾かしてから焼成。
2階建ての古い窯。今は実験的に使われています。
ここは研磨部門の説明。
こちらは金彩専門アトリエ。金はインゴット単位で注文、工房で絵具に加工するそう。まさに宝石です。
あまりにも見学希望者が多く、3コースに分けられて、アトリエすべては見られません。ほかのコースも面白そうなので来年も申し込んでみようと思いました。
そのあとは美術館に見学のオマケで無料で入れたので見学。セーブルのみならず世界中の陶磁器を展示しています。
古今東西の陶磁器がいろいろ見られます。アンティークの良いものを見分けるようになるには美術館でホンモノをたくさん見て目を肥やすのは大切だなあとつくづく思いました。
寄付された日本の焼き物コーナーもあり。茶道を習っている私は思わず見入る。
右端のお茶碗はなんと本阿弥光悦!。日本だったら独立ショーケースに入れてもらえる扱いだろうに、ここではそうでもないですね。。
ジュエリーマルシェでも扱いのあるリュネビルのお皿も!ピンクの愛嬌のある柄は鉄板です。
で、でかい壺、、、お城などからの注文でしょうか。右はコンテンポラリー。
👆 ラファエル写し。絵付けの技術の高さは半端ではありません。
沢山のアーティストとのコラボがあり👆こちらは草間彌生。古典にとどまらないでどこまでも可能性を探るセーブルです。
後半はポンパドゥール夫人が好きだったセーブルってこれだよね、という展示で〆です。
広大な敷地にある工房。
セーヌ川のほとりにあります。
セーヌ川にかかる橋から見た国立陶芸美術館を振り返りつつ。
ここはメトロ9番線の終点にあり、パリ中心からのアクセスも良し。大きな公園もあり、緑豊かな場所なので、深呼吸しに来たいところでもあります。